あかい午後の備忘録

2次元からその半分先まで好き勝手。

年越しの刀ステ 維伝 朧の志士たち 感想

あけましておめでとうございます。
突然ですが維伝がめっちゃ面白かったので感想を残しておきたい。

ここからネタバレを多分に含むので見てない方は絶対読まないでくださいませ。

台詞とかもろもろの記憶はニュアンスですのであしからず。

 

陸奥守がとにかくかっこいい。
慈伝でも描かれていた、前の主譲りの性格がよい意味で新しい刀ステのメンバーを引っ張っていたというか、ただ底無しに明るいだけじゃなくてむっちゃんも悩んだり考えたりしてるんだけど、最終的には真っ直ぐ前を見据えてる感じがザ主人公。また蒼木さんの身体能力を生かした殺陣やら立ち回りがほんとにすごい。初日は見てて今の立ち回りすごすぎない??チケット代安すぎないか??みたいな風情のかけらもないことを考えてた。
初見ではほんとにわくわくぞくぞくするというか、謎の中に一緒に入って解き明かされる物語をひとつひとつ見ていくのが楽しい。絶対に1回だけじゃわからないところも私はあったので、終わった後思い出しながら2回目も行きまーすと息を吸うように追加チケットをぽちっていた。
今回とてもよかったのは話もキャストもだけど需要と供給が釣り合ってたな〜というところ。特に東京公演は他演目で一般席とかのところでもサイドシートだったのにあてがわれてるとかあったし、見たいなと思ったら見られるのはよい。おかげさまで今のところ気持ちが赴くままカードを切り続けています(よかったのか??)。満席かつ行きたい時に見に行ける塩梅が最高。難しいと思うけどこれからもこんな感じで見たいなー。

 

ひとつ前の作品、慈伝 日日の葉よ散るらむの幕が開けた日にはこんな作品を刀ステで見られるとは思っていなかった。刀ステを生で見られたのが悲伝が初めてというハード体験を食らった初心者なので、身構えて行った慈伝でぽかーんとなり(慈伝めっちゃ好きだけど!)、え??じゃあ次は殴られるのかな??みたいな再覚悟で維伝の初日に行ったらこのわくわく感。
ジョ伝を見たときのわくわく感と似てるけど、やっぱり初日を生で見られるのは嬉しかったな〜!というのもプラスでまさに夢心地でした。
見にいく前は「刀ステは三日月様がいなくてもまんばちゃんは絶対いるだろう」イメージがあって、慈伝の千秋楽にてキャストが発表された時の知ってるキャストがあまりいないなーうーん……というなんとも言えない気持ちもありました。
健人くんの鶴さんに慣れてたから染鶴様はじめましてに慣れられるか心配だったし、 土方組はゲームでもあんまり育ててなくてミュのイメージが個人的には好みではなかったので更にうーんという印象。新撰組は好きなんだけどね……。と思い返すとわりとネガティブな気持ちを持ってたな〜。
いつも一緒に行ってくれる身内は特に三日月様推しなので全く様変わりしたメンバーでは行かないとのこと。円盤先行は一人分しか申し込めないのでそれは別に困ったことではなかったけど、運良くあたった初日と年末公演2回、面白かったらライビュも見に行こうかな〜なんて思ってたくらいなのに、本日1月1日見に行かせていただいて既に5回目です!!2カ月前くらいの私めっちゃアホ!!面白いよ!!
身内にも「今見なかったら後悔するぞ」と半ば脅して一緒に観に行きましたが、いけしゃあしゃあと「ライビュまでにあと1回観に行きたいかな〜」と既に2回観た後にのたまっておりました。予定なかったら福岡飛ぼうとしてただろ。(「サンパレスってどうよ?」とさりげなくもなく聞いてくる)
「あんまり馴染みのない刀たちばかりだけどまあ話は面白いのでは」というひねくれた期待を高く高く超えていった……などと言うとめちゃくちゃえらそうですがもう平伏すレベル。ほんとぎゃんぎゃん不満言うばかりで申し訳ございませんでした。

染鶴様は貫禄があって、若い刀を見守る小烏丸様とのペア感がとてもよき。お茶目が過ぎるし三日月様のことになるとちょっと子どもっぽくなるところもかわいくて、それでいて本丸の刀たちのことを小烏丸様と一緒に見守ってくれていて。時々ドスの効いた声音が飛び出すとかっこいい。裾がちょっと余るお召物なので若干踏んだりよろめいたりすることもありますが、染谷さんはわりと包み隠さず「おわっ」みたいなびっくりした顔をしているので見ているとふふってなります。でも怪我はしないようにしてほしい。
教えて!南海先生!シリーズはぜひ円盤にも残して欲しいレベル。
小烏丸様がいてくれたから今回初日から見に行こうと思っていたところもあったので、小烏丸様についてはいてくれてありがとうございます好きですという安定の感想しかないんだけど、装いも新たに鶴さんとのタッグがはまっていて紅白めでたい。中指の赤い爪??と、ナイアガラの滝みたいな頭の上の髪??(表現の仕方よ)が好き。手の扱い方というか指先まで小烏丸様という滑らかでちょっと妖艶な感じが好き。「朧の文久土佐藩に朧の志士たち。……ここでは全てが――張りぼてよ」の台詞、最後のところだけめちゃくちゃ声が低くなって客席の後ろまでどーーーんと刺さる感じ。最高。物語の一部に組み込まれたように初日はここでも引き込まれました。父好き。

土方組は今まで兼さんと国広のいいところに気づけてなかったなというか、刀ステ見て秒でファンになった自分にいろんな意味で頭を抱えました(ちょろいオタク)。国広はちょっぴり噛み魔だけど(初日に和泉守兼定を噛んで頭を抱えた。でも言いづらいよね和泉守兼定って。その時にちょっとじと目で国広を見る兼さんと「ごめんってー」みたいな国広の無言のやりとりがとてもよかったという長い括弧内)、兼さんに懐いている国広はやっぱりかわいい。演じている小西さん自身も若いので眩しいきゃぴきゃぴ感(死語)をついったとかいんすたとかで見てると感じます。兼さんはかっこよくてつよーいに首がもげるほどうなずけるかっこよさ。ゲームよりもべらんめえ口調が強めなのがとても推せます……(何の話)。今までかっこよくて強い!と言われても「はあ……?」みたいなのがあったけど(失礼)、確かに兼さんはかっこよかった。すまんな最近ようやく気づけた。
・見た目がよくて損するこたあねえ。……武器がひとつ多いってことさ
・俺たちと戦ったら怪我するぜ
・ひとーつ、士道に背くまじきこと!
・俺のファンが増えちまうなあ
・なあ、相棒(国広「はいぃ!」満面の笑みでのお返事つき)
・実用性一辺倒じゃあ花がねえ。……見た目だけじゃあ話にならねえ。その点、俺はどっちも備えてる
兼さーーん!!!かっこいい!!

俺のファンが増えちまうなあ、のシーンでは肥前くんに「本気で言ってんのか?」と聞かれ当然だろうとなんの恥ずかしげもなく肯く兼さん。後ろで小烏丸様と鶴さんが「まあ」みたいな感じで微笑ましく見てるんだけど、ここも兼さんらしい。若い刀ゆえの真っ直ぐさというか、後ろの二人からしたら面映いと思えてしまうことでも言い切るところがかっこいい。若いっていいね(何の話)。
あと対東洋にて絶体絶命のピンチむっちゃんが飛ばしてしまった銃を拾って兼さんが東洋を撃ち抜くシーン。あれはやばい。あの浅葱の羽織りと乱れた髪、真っ直ぐに伸ばした腕と横顔、「土方を救いたくはないんか?」の問いには答えず「よーく狙えばいいんだろ?……なあ陸奥守」
はあーーー!!!!何を見てるんだろう私は!!!!!!!???(発狂)この感情を表す語彙が自分の中にはないことが本当に悔しいし初日はエモオブエモすぎるしか言えませんでした。最高すぎる。土方組はもちろんむっちゃんと兼さんの信頼関係がもうエモい。最高すぎる……最高オブ最高。
兼さんの魅力に気づかせてくれてありがとうと田淵さんのお芝居には毎度いつでもスタンディングオベーションです。2019-2020ベストオブ刺さったお芝居でした。

そして初登場なのに堅い!ブレない!確かな品質!という感じの南海太郎朝尊&肥前忠広のお二人。南海先生は殺陣直後でも踊った直後でもゆったりとした喋り方を保たなくてはならないので大変そう。だからこそ後半の「僕たちは!……刀だよ」の力の籠もった言葉が生きてきます。初日工具持ち出した南海先生含め全員踊り出したときはどうしようかと思ったけどあれはあれで面白かった。肥前くんもノリノリなのは先生が始めたことだからなのか、基本馴れ合うつもりはない系男士なのに先生の言うことはそれなりに聞くあたりが元主同士の関係性が見られてかわいいところ。あと大道具さんは罠作るの大変じゃなかったかな……といつもバリエーションに富んだ罠たちを見て思います。弾力性は何で出してるんだろう。
あと人手が足りなくて罠を時間遡行軍自ら持ってくるのが涙ぐましくも笑えます。
ゲーム未プレイの身内が「南海先生がラスボスかと思った」と言う通り、序盤の先生の刀剣男士らしからぬ振る舞いがちょっと不審というか、今回の話にミステリ感を出しているなあと思います。三好さんのお芝居がとてもハマっていてすごいなあとはじめましてながら思いました。ふふふふ……みたいな所作がとても似合う。
そして肥前くんは元主以蔵さんとのやり合いを含めて殺陣がすごい。人斬りの刀だけあって目にも止まらぬ速さ、納刀抜刀の繰り返しが鋭くて見惚れます。取っ付きづらそうな雰囲気を出しながらも先生の言うことには渋々従い、鶴丸に脅かされては素直にビビるところがかわいいし、初日が終わったあとには「肥前くんかっこよくない?」「肥前くんやばい」「肥前くんかわいい」の声が客席から溢れていてまじそれなって感じでした(語彙力)。

以蔵さんは体力おばけすぎるし身体がバネみたいに跳ねるしはじめましての俳優さんだったんですがお芝居も全力投球でマチソワをこのテンションでやるのか……??と半信半疑になるくらいの方です。途中から本性が出てきて「あぎゃうあーーーー!!」みたいに叫ぶところとか、本当に魑魅魍魎かと思うレベルなのに、切り替わると優しい以蔵さんの繊細なところもじわじわ伝わってきます。カーテンコールもあくまで以蔵さんとして出てくるのかキョロキョロ挙動不審めな感じで出てきてスタンディングオベーションだと嬉しそうにはにかんでいるのがかわいい。
龍馬役の岡田さんはびっくりしたんですけど50代とは思えぬ立ち回り……台詞や自由なお芝居はさすがの貫禄だなあと思いながらも、ただただすごいなと思うばかりです。ブログにマチソワ間の時間割(個人差はあれど)とか身体のメンテナンスについてとかこまめに綴っているのが興味深いのと、とにかく文章がおもしろい。表現の才は文の才にも影響するのかな……と思いながら毎日楽しみに読んでいます。個人的には更新時間が朝早めなのが嬉しい。よく登場する唐橋さんのお姿を読んでいると唐橋さんはどこに行っても放っておかれないなあと思います笑。放っておかせてくれないのほうが近いかもしれないですが。
武市先生は南海先生が言う通り、真面目で融通が利かない、こうと決めたら真っ直ぐにそれを信じる人。刀剣たちには任務があって、その中で相対する武市先生と戦わないとならないから敵ではあるんだけれど、武市先生にも譲れない正義があるのがわかる。武市先生の目指すものがわかるからこそ、「なんで邪魔するんじゃあ」と慟哭しながら一心不乱に向かってくる姿を見てるとつらい。彼にとってはああすることが正義なんだな、と武市先生目線に引き込まれると朧の願いだとわかっていても本当につらい。最後のシーンで「おまんはいつもそうじゃ。……敵わんぜよ」と巻き込んだことを詫びる龍馬にちょっと憎たらしげな気持ちを含めて言うところ、すごく愛に溢れてるというか、旧い友人同士の絆が見えてすごく好きです。
唐橋さんはまじ唐橋さん。台詞の癖が強すぎて唐橋さんだなと思います。一度兼さんが東洋とのシーンで「殴り込みだな!」と言ったのが「長いタメだな!」に聞こえてしまい、正しい台詞に気付いてからじわじわ面白くなる現象に苛まれました(失礼)。でも一度見たら忘れない俳優、唐橋さん(個人的同列に和合さん)。

 

そんな感じ。
まんばちゃんの件が謎すぎていろいろ考えてしまうのはオタクあるあるだと思いますが、もう円環とかよくわからーーんみたいな放棄された思考になってしまう。あと別本丸の刀と思われる6振りがスタンばってるの、前から見たら全然違う人たちなんだなあと思うとシュールな気持ちになります。当たり前なんだけどね!!

福岡公演には残念ながら行けないので千穐楽はライビュ参加ですが、東京凱旋も残るところ10日くらい、とにかく怪我のないように終わってほしいなと思うばかりです。殺陣のシーンとかすごい身体に力が入って見ているだけでガチガチになるくらい。おかげで終演後に身体を動かしたら筋を違えるという負傷(超自業自得事故)をしたので、観劇の際にはストレッチと適度な水分補給を忘れずに!!